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「人」という字は……


 前の「こぼればなし」なんていつ書いたんでしょうか……?

​ このたび、元日に石川県を襲った能登半島地震で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 わたしも実家のある石川県南部の方へと帰省しておりましたが、私の地元であれほどの地震は経験したことがありませんでした。幸いにも、震源地からは100km以上離れた地域のため、大きな被害なく過ごしております。ご心配いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 昨年11月から12月にかけて、福岡県のAIR(Artist in Residence)事業の一環として、福岡県東南部の東峰村、小石原地区に滞在してまいりました。合わせておよそ1か月にも及ぶ滞在でした。

 現地では他の作曲家4人とさながら合宿のような、学生に戻ったかのような生活をしておりました。この年齢になって、あんなに長期間、生活を共にすることもそう無いでしょう。

 初めての村での滞在……元来旅好きの私としてはこれほど心躍ることもありません。現地の皆さまには大変親しくしていただき、また大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

 村での暮らしをよく見てみると、いかに人と人がつながっているかがわかります。困った時には互いに手を差し伸べるその姿が大変自然に見えました。

 最後の夜にはミニコンサートを開かせていただきましたが、村の方々の口コミのみで80人近い方にお越しいただきました。本当にうれしい限りです。

​ 

 「人と人とが支えあって『人』という字ができるんだよ」

……一体何万遍擦られた言葉なのでしょうか。実際には立っている人を横から見た形、だそうですが、誰が言い出したのか、まことしやかにこんなことが囁かれています。

 でも私にとっては、支えあって出来ている「人」の字はいささか居心地悪く感じるのです。なぜならどちらかが離れてしまったら、もう一方は倒れてしまうほかないではありませんか。この形は「共依存」をかたどるものと認識しています。お互いがお互いに依存しなければ自立できない……そんな形は決して健全とは言えないと思います。

 だからと言って全く支えあわないのも没交渉で好きではありません。そうなったら、

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 ただの棒ではありませんか。

 つかず離れずの適切な距離を保ちつつ、倒れそうになったらそっと手を差し伸べる――それこそが健康な人間関係と言えるのではないでしょうか。

 小石原で体験したろくろでの陶芸体験。自分の手と、陶器になるはずだった「ナニか」――両者の間にまさにそんな関係性を見出したのです。

(写真:陶芸失敗! 2023年11月撮影)



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